ろくろ師のおさださん
茶道、華道、書道、絵画などで女性の師匠や作家が沢山おられ、男顔負けの有名な人達がそれぞれの道で活躍されている。
陶芸に於いてもその通りで、女流陶芸家も珍しいことではなくなってきた。信楽では神山清子さんが有名であり、相楽叶さんも居る。昭和末期には、もう無数の女性ロクロ師が誕生し、信楽でそして、全国的にも女性がロクロを廻してやきものを造る事が当たり前のようになってきた。
大正時代に女性のロクロ師が居た。その人の名は「黄瀬さだ」さん。「中島まさ」さんもいた。「おさだ」さんや「おまさ」さんのほかに、まだ沢山ロクロがひける女性が居たという。
「おさだ」さんの母親「おそで」さんもろくろがひけたという。「おさだ」さんは、主に「かわらけ」や「ひしお」(べにちょこ)を造っていたが、汽車土瓶も造る事が出来た。
当時は、今のような電動ロクロもなく、全て廻し棒でロクロを廻し造る「手回しロクロ」であったので、そうとう体力を要し男ほど強く回すことが出来ないため、精々五百個ぐらい1日で造ったようであるが、それでも毎日毎日、沢山の数をこなしたものだといえる。
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